2009年7月14日 (火)

脳死、臓器移植について(その3)

 「人の死」の概念が変わった。

 心臓が動き、脈を打ち、身体は温かく、自分の力でなくとも呼吸もしている…それでも一定の「基準」を満たしたら「脳死」と判定され、「ご臨終です」と宣言される。

 移植を心待ちにしている人々がいる。救える命がそこにあるのに救えなかった。でも、これからはそれらの人々を救える可能性がかなり高くなるだろう。一方の現実がある。

 これまでは救えていた命、少なくとも最後まで救おうと最善を尽くすことが可能だった命が、これからは早々に「打ち切り」される可能性がかなり高くなりそうだ。もう一方の現実。

 A案推進側は何年も待たされたというが、せめて裁判員制度くらい国民に広く周知させてから決めてほしかったと思う。誰もが両方の側に立つ可能性もあるし、なかなか理屈では割り切れず感情的な問題でもあるから簡単に決められることではないだろうけど。

 決まってしまった以上は、くれぐれも慎重に脳死の判断をしてもらうよう祈るしかない。

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2009年7月 2日 (木)

脳死、臓器移植について(その2)

 先日、「臓器移植法」改正案の「A案」が賛成多数で衆議院を通過した。もうすぐ参議院にて審議、採決が行われるようだ。

 この法案に関しては、基本的に政党を超えて各議員の個人的意思で投票が行われている。たとえば、、、賛成では自民202人、民主41人、公明12人など。一方の反対票は自民77人、民主65人、公明18人などとなっている。ちなみに麻生総理はD案支持ということでA案には反対だったそうだ。

 正直なところオレは、今回の改正案提出があるまでは関心がなかった。

 現行法が成立して10数年、世間的にはほとんど注目されてこなかったと思うが、その間にも移植を必要とする多くの難病患者が亡くなっていったという。臓器提供を待つそうした患者(レシピエント)からすれば、現行法の臓器移植のハードルの高さを早くどうにかしたいと切実に思い続けてきただろう。

 今回衆院を通過したA案は、私たち人間の「死」を「脳死になった時点」だと法的に明確に規定するものだ。(A案~D案までの詳細についてはこちらがわかりやすい)

 私たち日本人は長い間、「心臓が停止」した時をもってはじめて「亡くなった!」とみなしてきた。それが私たちの常識的な死の感覚だった。

 いろいろなケースがあるだろうが、言われている「脳死」時点というのは、まだ心臓が動いていて身体中に血液が流れているため、身体も温かく脈もあるという。ただしそれは、人工呼吸器をつけているからこそ可能となる状態であって、すでに「脳幹」という生きる上で最も基本的な自発的呼吸などの機能を司っている部分が停止したという点で「死んだも同然」なのだという。

 「死んだも同然」というのは、「脳死=脳幹死」になれば人工呼吸器を外せばじきに「心臓死」に至るわけで、不可逆的な死へのプロセスのひとつだというわけだから、「脳死」をもって「人の死」と定めてもよいだろうということだ。

 すなわち、死とはそもそも不可逆的なプロセスだとなれば、心臓死だってそのプロセスの一時点にすぎないわけで、おそらくは分かり易さのために昔からの慣習として私たちは「心臓死」を死の基準としてきたのだろうから、それが「脳死」時点に変更したってよいじゃないか!という議論だ。(たぶん、こういう解釈で間違いないと思う)

 じゃあなんで、私たちの長年の「死生観」を変更する必要があるのかといえば、やはり「脳死」を人の死だと法的に規定することに大きなメリットがあるからだろう。すなわち、より多くの臓器を苦しんでいる人たちに提供できるからだ!!

 というのも、「脳死」が「人の死」だと法的に決められていなければ、その状態で心臓などの臓器を取り出すのは「殺人」になってしまうのだから。ちなみに現行法では、脳死者本人があらかじめ臓器提供の意思表示をしていれば「脳死」を人の死とできる。

 また、より多くの臓器を提供できることは、たとえば最近オレの保険証が更新され、裏側に臓器提供意思表示欄が付加されたので、そちらを見ればわかる。

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 今回のA案の特徴は、上に書いたように、①「脳死」を(本人の生前の意思に関わらず)一律「人の死」とすること、そのほか、②臓器を提供可能な年齢を、現行の15歳以上から0歳以上とすること、③臓器を提供するさいの条件を、本人が生前に拒否していなければ家族の同意のみでよいとすること(現行法では本人が生前に臓器提供の意思表示をしていなければダメだった)、などだ。

 実はこの③の規定があるため、今回のA案が成立し施行されれば、たとえば上の保険証の写真にあるような意思表示(ドナーカード)がとっても重要になってくる。

 脳死判定後に「使える臓器をすべて提供してもよい!」という人はよいが、問題は「オレは(すべての)臓器提供なんてイヤだ~!!」という人の場合だ。

 何らかのかたちで「拒否の意思表示」をしておかなければ、万が一脳死判定を受けた場合、家族が説得されたら強制的に臓器提供させられてしまうからだ。

 A案提起者が言う「臓器移植を認めない人、脳死を認めない人の権利も十分に保障・担保している」ということが実際に機能するためには、今回のような法案の中身について広く国民の間に知れ渡っていなければならないのだろう。だから、裁判員制度のような徹底した周知が必要だと思う。

 先日放送された、ビートたけしの「TVタックル」で、自身も父に対して生体部分肝移植をした河野自民党議員が、「いったいあと何人殺せばいいのか!」などと過激な発言をしていた。それだけ真剣にレシピエントのことを考えていればこそだと思う。救える命があるのにそれを「見殺し」にしているという主張に対して、なかなか反論できない雰囲気がある。誰だってそう言われたら黙らざるを得ない。オレもその主張はもちろん正論だと思う。けれど、人の命を扱う重大な問題だけに、オレ自身も含めてもっともっと国民的な幅広い意思の共有がなければならないんじゃないかとも思う。

 共産党の小池氏らのいう「E案」のごとき、ここ1年という時期を目途にというのもどうかと思う。時間的・量的な問題というより、国民を巻き込んでの質的な議論が必要じゃないだろうか?それによっては半年になるかもしれないし、2、3年かかってしまうかもしれない。急を要する問題ではあるが、ことはそれほど簡単ではない。

 あえて言えば、人道的・道義的などをたてにしてA案に賛同しない人が何も言えないような状況には疑問だ!

 レシピエントの立場に立てば一刻も早くA案だ!というのはわかる。ただ、「脳死」にはいろいろな問題もあるということも知った上で議論しなければいけないと思う。ざっと代表的な問題を挙げれば、、、

★「提供したい人がいて、提供されたい人がいるなら問題ないじゃないか!」というが、それは「自己決定」原則があればこそだ。0歳から可能とするということは自己決定の原則を放棄することになる。

★少なくとも臓器移植に関連して経済的利害が生じるわけだから(移植コーディネーター、移植医など)、経済行為に伴う問題がないとは言えない。脳死となりそうな人を最後まで救おうと努力しない医師が出ないか?

★ホームレス、不法就労外国人、死刑囚、その他身元不明者が脳死になった場合、本人の意思も家族の同意もなくドナーになることがあるだろう。また彼らはドナーにはなってもレシピエントになることはないだろう。社会的弱者はドナーになれてもレシピエントになるにはハードルが高いのではないか。税金でも投入するのか。その場合国民の公平性は大丈夫か。

★そもそも「脳死」者は本当に意識がないのか!?痛がっていないのか?実際、人工呼吸器を外すともがき暴れることもあるという。血圧上昇、不整脈となるなど。死んだ人間が暴れるために麻酔を打って臓器摘出しなければならないという事実をどう考えたらいいのか??

★テレビ報道は偏向していないか?レシピエント側の立場でしか報道されていないのではないか?

 TVタックルの最後にたけしがコメントしたとおり、脳死臓器移植に頼らない方法(人工臓器の開発やES細胞の開発など)にもっと金を振り向けた方がいいんじゃないか!

(参考にした本)

①(脳死臓器移植反対の立場。ややラディカル過ぎ?心情に響かないけど)

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②(反対の立場。詳しい。心情に訴えかける。良書だと思う)

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③(賛成の立場。レシピエントの思いが伝わってくる。反対の本を読んでからだと、また違った感想を持ってしまうかも…)

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脳死、臓器移植について(その1)

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「お母様、お父様、息子さんはかなり危険な状態です」

「そんな、先生!なんとか息子を、タカシを助けてください!」

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「よく聞いてください。タカシくんは事故で脳に重大な損傷を受けてしまいました。この救急センターに運ばれてから、すでに8時間以上経っています。身元がわからずご連絡が遅れまして、大変遺憾に思っております。私どもも、可能な限りの処置をしたつもりですが、ごらんのような昏睡状態が続いており…」

「お願いです。先生。なんとか助けてください!」

「残酷なようですが、すでに数時間前に一度、脳幹反射テスト…すなわち光に対する反射や咳を起こす反射などのテスト、それから痛み刺激に対する反応などのテストをしたのですが、いずれも残念な結果となりました」

「それはいったい、どういう意味ですか?」

「つまり、『脳死判定基準』というものに従って実施された『脳死診断』というものをおこなったわけでして、その結果という意味です」

「脳死……ですか」

「そうです。タカシさんは…、ご覧のように搬送時から深い昏睡状態にあり、脳波も平たんな波形を描いております」

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「いまここで、ご両親の前で、ふたたび『脳死診断』をさせていただいているのです。このように、皮膚にいくら刺してもお顔の筋肉にもまったく変化がございません」

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「最後に人工呼吸器を止めましての『自発呼吸の有無』を調べます」

「そんなことしたら、息ができなくてタカシが…タカシが本当に死んでしまうじゃありませんか!!」

「どうか、落ち着いてください。わたしどもは彼、タカシくんの呼吸中枢の機能を調べるだけです。あらかじめ危険性のないように準備された状態でおこなわれますので、タカシくんの脳幹の機能が働いていれば、必ず自発呼吸するのです」

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「やはり、息子さんは残念ながら、脳死ということになります」

「で、でも、ほら!先生、見てください!!タカシの腕が動いているじゃないですか!!」

「落ち着いてください、お母様。これは一種の脊椎反射という自然現象なのです」

「でも、タカシはこうして動いているんですよ!」

「残念ですが、まちがいなく『脳死』の状態です」

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数分の後

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「では、ただいま説明しました通り、先ごろ施行した『改正臓器移植法』により、ご本人様による生前の“ドネーション拒否”の意思表示が見当たりませんので、ご本人様は現在順番を待っておられる重症のレシピエント(移植待ち患者)に対して臓器提供の意思が有るとみなされます。息子さんの意思としてどうぞ苦しんでおられるレシピエントの方への臓器提供をご両親にも承諾願いたいのですが、いかがでしょうか?きっと、息子さんも天国でご自身の臓器によって別の命が救われることを望んでおられるに違いありませんよ!!」

「……」

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さらに数分の後

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「それでは、ただちに臓器の摘出術に入らせていただきます。センターの屋上には救急ヘリが待機しております」

「息子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます」

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切開の際、脳死者が激しく動いたので麻酔が打たれ、 元気に脈動する心臓が摘出され、すぐにヘリのある屋上へと運ばれていった。

脳死とされたタカシの目から静かにこぼれ落ちた涙の粒を、執刀医がそっと指先でぬぐったことに、ほかの誰も気付かなかった。

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2008年6月19日 (木)

同性愛者のこと

 正直、理解できない。アメリカのカリフォルニアかどこかの州で同性愛者の結婚が法的に認められたとかいうニュースを見た。男性同士でキスしてた。ちょっと、ひいた、、、これって「差別」意識のあらわれなのかなぁ?そんなつもりもないんだけど、、、

 同性愛のことについて、何も知らない。とくに興味、関心ない。だから結婚しようがどうしようが賛成も反対もない。お互いに好きだというのだからいいんじゃない!?と思う。かえって反対だという人の方が何故??と思ってしまう。犯罪じゃないでしょ?他人に迷惑をかけるわけでもないし、それで社会の秩序が乱れるということもないと思うし。種の保存上大きな問題になるとも思えないし。まさか人間の尊厳どうのという問題じゃないでしょ?

 猛烈に抗議したりする反対者の考えがわからない、、、けど、なんで同性を好きになれるのか、愛せるのか、性の対象になるのかはわからない。

 でもなぁ、、、じゃあなんで男性なら女性を好きになったり愛したり性的対象にしたりするの?って聞かれると、そういえばなんでだかわからない!なんで異性に気持ちが向かってしまうのかなぁ、、、生物としてあたり前のことで、本能なんだと言われればそれまでだけど。

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2007年3月19日 (月)

耳がツーンとなるのはどうして?

 コメントを頂いて、その内容に触発されて、面白そうなんでちょっと調べてみました。

 飛行機に乗ったり、車で山道を登ったり、あとトンネルに入ったりすると耳がツーンってなって、聞こえづらくなったり不快な感じになったりしますよね!?あれって、気圧が関係してるんだろうなとは分かるけど、もう少ししくみを知りたいと思いませんか?というわけで、「そんなの常識じゃん!ガッコウで習ったし~!」という人には笑われるでしょうけど、「オレ知らなかったも~ん!」という人がいることを願いつつ、簡単にご説明しましょう!…といっても、手元の本のパクリだけど…

 で、要するにどういうことかというと、耳の奥に「こまく(鼓膜)」っていう0.1mmほどの薄い膜がありまして、この鼓膜の両側の気圧が違ったりすると、その影響で鼓膜が押されたり引っぱられたりするため耳がツーンとなる!んだって。

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 お空に上がるほど気圧は低くなります(空気が薄くなる!)

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 で、急激に高度を上げたりすると、相対的に、鼓膜の外側つまりお耳の側の気圧が低くなります。そうすると、鼓膜は気圧の低いほうに引っぱられることになります(というのか、気圧の高いほうから押されるというのか…)。

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 ちなみに、当たり前ですが、空気は圧力の高いほうから低いほうへ移動します。圧力が一方にかたよるとバランスをとろうとするんですね。

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 じゃあ、なんで耳がツーンてなったとき、口を大きく開けたり、つばを飲み込んだりするとなおるのか!?っていうと、そうすると鼻やのどとつながっている「耳管(じかん)」が開いて、鼻や口から外の空気が入ってくる。それが鼓膜の内側まで届いて、で結局は、鼓膜の両側の気圧が同じになるという訳なんだとさ!

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 以上、間違ってるとこあったらご指摘よろしくお願いします。まぁこんな感じってことでいいんじゃないかと思いますが…。

 なお、気圧って何?とか空気って何?とかトンネル内では気圧はどう変化するの?とかは、どこかで調べて下さいませ。

※参考:『からだのしくみ事典』(浅野伍朗監修:成美堂出版)他

※SketchBookPro2.0試用版

※ワコムIntuos3タブレット使用

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