先日シーズン6を終了したドラマ「相棒」でも取り上げられた「裁判員制度」が来年の5月から始まるようだね。テレビを見ていても話題として取り上げられることが増えてきたように思う。
さっきのNHKのニュースでも、選ばれた裁判員によって量刑がどう違ってくるかという点についての検証が行われたと報道されていた。
ところで、いざ自分が裁判員に選ばれたら!?と考えるとやっぱり不安は大きいよなぁ。不安の中には、「素人の自分が法律に基づいた裁判をやっていけるのか?」とか、「被告の人生を左右するような判決に関わることは荷が重い。責任とれないよ」とかいうものがあるかな。なかには「被告やその関係者に恨まれるんじゃないか。復讐されたりしないか」といった不安の声もあるみたい。
オレとしては、やはり「人を裁くことの責任の重大さ」が一番かなぁ、、、もし判断が間違っていたら?本当は犯人じゃなかったりして!、、、もし自分の関わった裁判で有罪判決を出したあとに「冤罪」だったことが発覚したら、、、
一般人の常識的な感覚を裁判に反映させるということ、裁判官と一般庶民との感覚のズレを少なくするということ、、、
たしかにテレビの裁判結果の報道なんかを見ていて、「ありゃおかしいんじゃない?どう考えても死刑じゃん!」などと周囲の人と話したりしてるけど、実際にその裁判に関わる当事者になることを考えると、あんまり軽はずみなことは言えなくなりそうな気もする。
死刑どころか、有罪か無罪かの判断をとっても決して簡単なことじゃない。以前ちょっとだけ「刑法総論」なるものを勉強したことがあったけど、なんでも専門家といわれる人たちのあいだでもずいぶんと意見が分かれているそうだ。いわゆる学説というやつ。まぁ、どうせなら一度は何か手ごろな本でも読んでみるのがいいだろうけど、読み始めるとすぐいろんな「学説」が出てくるから、それだけで頭が「パニッパニ!パニパニパニック!」となること請け合いだけど。
あと問題になるのは「法律用語」だろうな。例を挙げればきりがないけど、たとえば「構成要件該当性」、「違法性阻却事由」、「責任阻却事由」って聞いてなんのことがわかるだろうか?だいたい「阻却(そきゃく)」って何だよ!?「事由(じゆう)」って何だ!?
「因果関係」って言葉は誰だって知ってる。それだったら楽勝!……ってか?要するにこういうことだ……A男がB子を殺そうと思って毒入りジュースを飲ませた。で、1時間後にB子は死亡した。これはあきらかにA男がB子を殺したということになるね!B子の死亡という"結果"を引き起こした"原因"はA男の毒を盛ったという行為だから。。。ところが、実はもうひとりB子を殺したいと思っていたC男がいたってことになったら??このC男もまたB子を殺そうとしてA男が毒入りジュースを飲ませたあとに、毒入りりんごを食べさせたのだ!さてさて、、、A男とC男には「殺意」があった。「故意」があったのは間違いない。でもB子の死因は果たしてA,Cどちらの毒???「因果関係」ありと認められるのは「A→B?」それとも「C→B?」、、、この場合、B子の死の直接の原因となったのがA男かC男かが特定されないとまずいことになるんだ。結果によっては「殺人(既遂)」となるか「殺人未遂」で終わるかが分かれてしまうからだ。これは刑の重さを決めるのにも大きく影響してくる。
ついでにいえば、「初公判が開かれた」とかよく耳にするけど、「公判」ってなに?「裁判」のことじゃないの??いやいや、民事事件の裁判では「公判」という言葉は使われないらしいよ。
先日の4月10日、渋谷区での(いわゆる)「セレブ妻による夫のバラバラ殺人事件」の論告求刑公判が開かれた。判決はたしか今月末ごろとのこと。。。さて~、またまた“じぇんじぇんわかりましぇ~ん”、、、「論告」?「求刑」?、、、こうして文字を見れればまだいいけど、これをラジオで聴いてたりする素人はどう思う??「検察官によるロンコク、キュウケイ、弁護人によるサイシュウベンロン、そして被告人によるサイシュウチンジュツと続きましてケッシンとなり…」、、、「ふ~ん、なるほど。検察が何たらして、それから休憩をはさんで、最終弁論、被告が最後に言いたいこと言ってから、裁判官がついに決心するのか!」なんて話になってたりして。
ま、それはそうと、今オレはその「(いわゆる)セレブ妻による夫のバラバラ殺人事件」の公判記録を初公判からずっと読んでるんだけど、これがまたおもしろい(といったら不謹慎だけど)、、、実に意義深い!わけだ。
ネタ元のサイトは↓
(http://www.iza.ne.jp/news/feature/3923/event/allnews/)
結構の量だから読むのが大変そうだけど、生々しい裁判の様子がよく伝わってきて、とてもすばらしい記事だよ!(ちなみに、先ごろ例の畠山鈴香被告の全公判記録集が本になった。これは同サイトの記事を本にしたもので、こちらもさっそく購入した。書名は『法廷ライブ 秋田連続児童殺害事件』 産経新聞社会部著 \1,400税別)
で、自分が裁判員に選ばれて、実際にその裁判に立ち会うことになったとイメージして読んでみるといいと思う。
例として、さわりだけ簡単にかいつまんでみよう。
まずは「弁護人の冒頭陳述」を読んでみる。被告人・三橋歌織(以下「歌織」)は被害者である夫・三橋祐輔(以下「祐輔」)から日常的に家庭内暴力、いわゆるDVを受けていた。弁護人によれば、歌織が祐輔を殺害した動機は、まさにこのたび重なる暴力によるものだという。
《歌織さんは長期の暴力でPTSDとなり、極度の緊張状態にありました。このままでは逃げられないという絶望感を抱え、PTSDにより自分をコントロールできなく》なったため、祐輔を殺害した。そして殺害後も《恐怖感はなくならず、祐輔さんを消し去りたいと考え、運搬を計画。しかし運ぶことができず》バラバラにした。( 《》内は上記サイト記事より引用 )…これが弁護側の主張。DVの実例がいろいろと挙げられていて、最初にそれを読んだとき、オレのイメージは、か弱くていつも夫の暴力におびえる歌織の姿。「これはもう殺害したとはいえ、ある程度はやむを得ないなぁ」との感想をもった。
ところが、次に検察側の「冒頭陳述」を読んでみたら、まったく弁護側の言ってることと違っていたのに驚いてしまった!!
検察側の陳述では、夫による一方的なDVなんて話はまったく出てこない!ときに夫が暴力を振るったことがあったとしか述べられていない。基本的には夫婦喧嘩であると…。それどころか、いかに歌織が欲深くて、腹黒いかが述べられる。離婚したいが、その際にいかに自分に有利な条件で離婚できるかをずっと考えていたのだという。夫の暴力をネタに多額の慰謝料を請求しようと画策していただとか、暴力がなくなってきてしまったので、次に浮気の証拠をつかみ、それをネタにして離婚を自分の有利に進めることに方針転換しただとか、ボーナスも取り上げ、祐輔に歌織名義のマンションを購入させて、離婚の際にマンションも手に入れようと画策していた…。
そして、殺害の動機については、、、
《歌織被告は、自分の思い通りにことが運ばない腹立たしさや、祐輔さんから過去に受けた暴力に対する怒り、自分のプライドを傷つけられたことへの悔しさなどを抑えきれなくなり…(中略)…憎しみの感情が爆発し》祐輔を殺害する決心をしたと。そして、歌織ひとりだけでは《死体の運搬が困難》だったことと、発見されてもすぐに身元がわからないようにするために《死体を切断して別々に捨てる》ことにしたと。したがって検察側は歌織には完全な責任能力があったと主張する。
ここまで両者の歌織被告に対する見方がまったく違っているわけだ!
話が長くなっちゃったけど、実際の裁判ではいったいどうなっちゃうんだろうねぇ…
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